まずは、金のメリット・デメリットからです。

金のメリット。大きなメリットは下げづらいこと

  • 金は現物試算なので価値がゼロにならない
  • 金の価値は世界共通、無国籍通貨とも言われる
  • 株や為替の変動の影響を受けにくい
  • 金価格は2000年以降ゆるやかに上昇傾向
  • 鉱物なので、存在量に限りがあり無価値にならない

 金の大きなメリットは価格が下げづらいことです。
 金は現物試算なので価値がゼロになることはありません。

 株の場合は、投資している会社の倒産リスクが、為替の場合は、可能性が低いとはいえ、国のデフォルトリスクがあります。でも、金は、現物のモノなので、価値がゼロになることがありません。

 価値がゼロにならないため、世界の通貨は変動通貨制をとってはいるものの、金を担保に通貨を発行しています。各国の通貨の信用より金の信用の方が断然高く、無国籍通貨とも言われます。

 戦争など何かあると、世界中のお金は金を求めるため、有事の金とも言われます。

 金はダイヤモンド、小麦などと同じように商品市場での取り扱いとなり、株や為替と逆相関の動きとなります。分散投資向けで守りの資産とも言われます。

 金価格は2000年以降、ゆるやかに上昇しています。株や為替はリーマンショックなどの影響を受けて乱高下していますが、金はそういった大きな動きがなく、ローリスクの商品となっています。

 金は、貴金属や宝石などがメインと思われている人が多いかもしれませんが、携帯電話の部品などの工業用品の部品としての価値も大いにあります。
 特に精密部品を作る場合に、混ざり物のない金は大事で、重要なパーツに使われています。

 中国、インド、東南アジアなどの新興国の発展で、まだまだ携帯電話、スマホ、パソコンの需要は伸びることは確実なので、電子機器の部品としての金の需要も確実に増えます。

 工業用部品としての金の需要増も金が下げにくい理由の一つです。

 また、鉱物なので限りがあります。採掘コストとして1オンス1000ドルほどかかると言われており、そのラインを超えると、損するため採掘がストップします。これも価格を下支えする要因の一つです。

金のデメリット。利息や配当がつかない

  • 配当や利息が付かない現物投資
  • 元本割れの可能性がある
  • 為替変動リスクあがる
  • 現物で持てば盗難リスクがある

 メリットに対してデメリットです。金の重要なデメリットは利息、運用益をうまないことです。

 株式なら配当、為替なら利息(FXならスワップ)など、キャピタルゲイン(資産価値の上昇)のほかに、運用利益がありますが、金にはありません。

 金投資、純金積立で利益をあげようと思うと、長期保有して、金価格が上昇したときに売却する必要があります。

 メリットで下げづらい投資商品と書きましたが、絶対はありません。元本割れの可能性はあります。

 また、世界の通貨のメインが米ドルであることから、為替変動リスクとして、米ドルの影響は少なからず受けます。ただ、為替と逆相関の動きにはなるので、外貨と金を分散して持てば、資産価値の上下を緩やかにできます。

 そのほか、金を延べ棒(バー)やコインなどで持てば盗難リスクが出てきます。

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純金積立のメリット・デメリット

 次は、純金積立のメリット・デメリットです。

純金積立のメリット。少額投資、ドルコスト平均法

  • 少額から金に投資ができる
  • ドルコスト平均法により価格変動リスクを軽減
  • 月額積立購入だけでなくスポット購入も可能
  • 現物管理を運営会社が行うので、金の保管が不要、盗まれるリスクがない
  • 金地金、金貨、ジュエリーでも受け取れる

 金の延べ棒やコインなどでの投資は必要な資金が高額になりますが、純金積立なら楽天証券などをはじめ月額1000円からと少額から投資ができます。

 そして、純金積立ならではのメリットがドルコスト平均法です。

 ドルコスト平均法は、一定の期間、定期的に、資産を分割して積み立てることで、高値つかみのリスクを減らす方法です。定期的に買い続けることで、金価格が低下したときは多く、金価格が上昇したときは少なくすることで、購入単価が平均化されていきます。価格変動リスクを軽減できるメリットがあります。

 金のデメリットとして盗難リスクがありましたが、純金積立の場合、証券会社などが金の現物の管理をするため、盗難りすくはありません。

 月額積立がメインですが、金価格が下がったときなどにスポットで購入することもでき、受取時に金地金、バー、ジュエリーなどで受け取ることができる運営会社もあります。

純金積立のデメリット。手数料、コストに注意

  • スプレッドによる価格差が存在
  • 購入手数料や年会費が発生する
  • ローリターン(大もうけは期待できない)
  • リアルタイム取引ができず、短期売買には向かない
  • 消費寄託の場合は、保護されず倒産すると返却されない場合がある
  • 現物でもった場合は、維持費がかかるほか、盗難の心配がある

 純金積立のデメリットは、手数料・コストです。

 現物で持った場合は、購入時の手数料のみですが、純金積立の場合は、消費寄託など運営会社が金の管理などを行うこともあり、年会費が発生する場合があります。スプレッドによる売買価格差もあるため、純金積立のコストには十分注意する必要があります。
→純金積立ランキング、手数料比較

 純金積立は、月額積立が基本なので、リアルタイム取引などの短期売買には向いていません。

 楽天証券、住信SBI銀行などが採用している消費寄託の場合は、運営会社が倒産した場合は、返却されない場合があります。ただ、ともに大手の会社だけに倒産リスクは少ないかと思います。

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金ETFを使えば、利息がゲットできるほか、短期売買も可能

 ただ、純金積立では、利息を受け取ることはできませんが、楽天証券、マネックス証券などで販売している金ETFであれば利息を受け取ることも可能です。

 金ETFは、金価格に連動する上場投信で、ETFのため信託報酬も低く人気があります。

 また、貸株という制度があり、楽天証券の場合、純金上場信託(1540)の貸株金利は、0.25%あります。(※2017/6/13調べ)

 ETFは上場株式の一種なので、短期売買をすることも可能です。

 投資目的で金投資をするのであれば、純金積立ではなく、金ETFと貸株をつかって、利息を取りながら、運用するという方法もあります。

純金積立を使ったポートフォリオは?

 純金積立のメリット・デメリットを踏まえたうえで、守りの資産として、金を積立ることを考えることが得策だと思います。

 資産を増やすため株式投資や、円高リスクを減らすための外貨投資は、当然必要です。スイス中銀などにならって、資産の10%程度を金で運用するのが得策かもしれません。

 利息がつかないのいやなら、金ETF+貸株で運用という考え方もできます。

 中国、インドなど新興国で金需要がこれからも増していくとも言われています。資産のある程度を金での運用を考えておくことも大事かもしれません。

金は「守りの資産」株式、為替と逆の相関関係があるので分散投資にぴったり

 現在の世界の景気はつながっており、アメリカの景気悪化は、日本の景気悪化となり、世界の景気悪化につながります。

 日経平均が前日のニューヨークダウに非常に影響されやすいことは、株式投資をするなど、経済をウォッチングしている人には当たり前のことです。

 また、為替も株式市場に非常に影響されやすく日経平均の下げは円高につながり、円安になれば日経平均はあがります。

 こういった理由から、株式と為替に同時に投資することは、あまり分散にならないのは事実と言えます。

 株式、為替と逆相関になるのは、商品市場で、原油、小麦、そして、代表的なのがです。

 世界の景気に左右されず、株式、為替と逆相関になるので、スイス中銀は、そのポートフォリアの10%程度の金を保有しているそうです。金は守りの資産としてのメリットがあります。

税金のメリット、消費税が受け取れる

 もう一つメリットをあげれば、金は購入時には消費税を払いますが、売却時に消費税を受け取れることです。

 現在消費税は8%ですが、近い将来10%になるといわれています。8%の今、購入しておけば増税時に無条件に2%分プラスして受け取ることが可能です。

 小さなメリットですが、定期預金の金利が高いところで0.20%あたりの現在、2%は大きいと考えられます。

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